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    ストレス反応

    同じストレスを受けても人によって反応が違います

     例えば、球を押さえつけることを思い浮かべるとわかりやすいです。同じ力で押しても、ボーリングの球はまったく凹みませんが、テニスの軟球は柔らかく大きく凹みます。同様に、同じストレスを受けても、人によってその反応は全く違います。ボーリングのように大きなストレスにも耐えられる人もいれば、テニスの軟球のように小さなストレスで症状が現れる人もいます。また卵が割れてしまうように、ある程度以上のストレスで急に症状が現れる人もいます。  

    ストレスに対応して現れる様々な反応をストレス反応と呼びます

     球が凹むように、ストレスに対応して人間の身体にも様々な影響が出ます。これをストレス反応と呼び、この反応が大きいとストレスによる疾患と判定されます。ストレス反応が身体面に出た場合は心身症、心理面に出た場合は神経症など(うつ病・不安障害を含む)、行動面に出た場合は自殺行動といった形を取ります。例えストレス反応がはっきり出たとしても、その要因が何であるかについては、なかなか明確にはわからないものです。

    ストレスを受けて病気になるまでにはいくつもの段階があります

     同じストレスを受けていても全く病気にならない人もいるのは、病気に至るまでにいくつも段階があるからです。ラザルスの理論に登場するように、人間にはストレスをコントロールするコーピングという機能があり、うまくコーピングできればストレス反応は生じません。また、ストレス反応が一時的に出たとしても、すぐに原因が取り除かれば疾患にまで発展しません。

    ストレスチェックではストレスそのものに重点を置いています

     いくつものストレス反応の段階のうちで、ストレスチェックが主にチェックしているのはストレス(要因)そのものです。例えば、職場では職場環境・人間関係・仕事に対する不安・勤務体系など、様々なストレスの要因が存在します。これらの状態に対して質問することで、職場にどれぐらいのストレスが存在するのかを見極めています。これに加えて、最近の気分を聞くことで、どれぐらい実際にストレスを感じているのかをチェックしています。

    より詳細なストレスによる疾患のチェックが重要です

     現代の日本社会は高ストレス社会と言われています。ストレスチェックにおいても多くの人が大きなストレスを抱えていると判定されることが予想できます。弊社の出版している検査は、その中でも特に重篤な、ストレスによる疾患にかかっている方やその予備軍を検出する目的で全国の医療機関で用いられています。代表的なものはうつ病の検査であるSDS(うつ性自己評価尺度)です。

    うつ病・うつ状態はほぼ必ず見られるストレス反応と言えます

     職業性ストレス簡易調査票のいくつかの項目でも聞かれているように、うつ病あるいはうつ状態はストレス反応としてほぼ必ず見られるストレス反応です。このうつ病・うつ性を評価する際に日本全国で広く用いられている検査がSDS(うつ性自己評価尺度)になります。医師が実施される場合は、80点の診療報酬点数が厚生労働省より認められているように、信頼性ある検査です。ストレスチェックでストレスが大きいと判定された方をより詳細に分析する際に有用です。